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引越しの不用品回収、価格表がない

引越しの不用品回収、価格表がない

定義

引越し付随サービスとは、搬送本体に付随して提供される追加サービスであり、不用品回収・買取・エアコン脱着・ハウスクリーニングなどが該当する。需要は確実に存在する。不用品売却市場の規模は2.4兆円(リサイクル通信、2023年推計、前年比9.6%増)である。大手業者は軒並み取り扱っている。サカイ引越センターは公式サイトに「便利な引越しオプションサービス」のページを設けており(不要品買取、家具家電購入、エアコンクリーニング、照明・カーテン取付)、アート引越センターはエアコンクリーニングを、日本通運(NX)はエアコン工事を提供している(いずれも公式サイトの公開情報)。

顧客は引越し時にこれらのサービスを最も必要とする一方、中小業者の多くは、これらを価格付きのオプションとして用意していない。引越し現場こそ、需要が最も集中する接点である。旧家具の処分、エアコンの脱着、旧居の清掃について、顧客が最初に尋ねるのは引越し会社である。需要は自社が生み出しているのに、利益は他社へ流れている。

現状:三つの構造的要因

顧客に聞かれて初めて案内する

多くの業者は付随サービスに対して受け身の対応に終始している。顧客が尋ねなければ、自ら提案することはない。

付随サービスは見積もりプロセスに組み込まれていない。見積書に記載されているのは搬送費のみで、不用品回収・エアコン脱着・ハウスクリーニングのオプション欄は存在しない。顧客は自社にそのサービスがあることを知らないため、需要は専門業者へ流れる。需要は確実に存在する(不用品売却市場2.4兆円、リサイクル通信2023年推計)が、見積もりの流れの中にその受け皿がない。

引越し現場で顧客が不用品回収やエアコン脱着を求める需要に対し、業者側に価格表がないことを示す概念図

価格設定がない

価格設定がなければ、付随サービスは成約に至らない。

見積もり方を知らず、高い価格を提示して顧客を逃がすことを恐れ、結局は提案しない。価格表がなく、オプションの一覧もないため、顧客はその場で判断できず、他社でまとめて依頼することになる。価格設定こそ、サービスを事業化する第一歩である。

他社に外注して中間マージンを取られる

顧客の需要に応じて他社へ紹介するが、自社が得られるのは紹介料のみであり、無料で紹介することもある。

需要は自社が生み出している。引越し現場での不用品処分やクリーニングの需要について、最初に尋ねられるのは自社である。注文を外部業者に譲れば、収入もリピートも紹介も、そのまま他社へ流れる。

引越し付随サービスの需要が自社で生まれながら他社へ流れ、中間マージンを取られる構造を示す概念図

三つの原因の根源は同じである。付随サービスを事業として経営していないことにある。

比較:大手業者の取り組み

大手業者は付随サービスを独立した事業として経営している。サカイ引越センターは公式サイトに「便利な引越しオプションサービス」の正式ページを設けている(公開情報)。アート引越センターはエアコンクリーニングを、日本通運(NX)はエアコン工事をオプションとして提供している(いずれも公式サイトの公開情報)。

大手業者の付随サービスには公開価格が設定されている。アップル引越センターは公式サイトで分解洗浄クリーニングの価格を公開している(¥16,500)。サービスが正式な商品として販売されており、顧客はオプションと価格を確認した上で、その場で決定できる。

需要は確実に存在する。不用品売却市場の規模は2.4兆円(リサイクル通信、2023年推計)であり、不用品回収業界は1兆円超の成長分野である(業界記事)。環境省の報告では不用品回収業者の増加が示されている(正式報告)。市場は成長し、顧客はサービスを探している。それでも、オプションは見積書に載っていない。

大手業者は公式サイト・見積もり・現場の三つの接点すべてでオプションを可視化している。一方、中小業者の多くにとって、オプションは「顧客に尋ねられた後」にしか存在しない。

まとめ

付随サービスは、引越しの場面に元々存在する利益の増加分である。大手業者の事例は、それが事業として経営できることを示している。事業化は三つの取り組みから始まる。オプションを見積書に載せること、サービスに価格を設定すること、付随サービスの収入を記録することである。

ERAI Move:付随サービスを「ついで」から「事業」へ

ERAIには、付随サービスのメニュー一覧と料金項目の設定機能が揃っている。案件管理では付随サービスの収入を記録できる。この案件で搬送費以外に、付随サービスでどれだけの収入を得たかが、開けばすぐに確認できる。見積もり段階で付随サービスを列挙しておけば、顧客は自社の提供内容を知ることができる。

引越し付随サービスを事業化する3ステップ(オプション明示・価格設定・収入記録)を示す概念図

よくある質問

Q1:付随サービスに取り組むと、本業が疎かにならないか?

付随サービスは引越しと顧客・現場を共有しており、追加の集客は不要である。既存の需要を受け止める方が、新規事業に手を出すよりもリスクは低い。

Q2:不用品回収には許可が必要か?

関連法令(古物営業法、廃棄物処理法等)の遵守が必要である。法令遵守は前提条件であるが、そのためのコストは、この利益を放棄することに比べればはるかに小さい。所管の行政機関に確認することを推奨する。

Q3:見積書に付随サービスを載せると、見積額が高く見えないか?

付随サービスはオプションとして列挙され、搬送費に組み込まれるものではない。顧客は選ぶことも選ばないこともできる。オプションがある方が、ないより良い。

Q4:他社に外注して中間マージンを取られることに問題があるか?

需要は自社が生み出したものであり、利益は他社に渡っている。自社で対応できない場合でも、無料で紹介するのではなく、自社の価格設定を持った上で委託すべきである。

Q5:小規模な業者に付随サービスを手掛ける余力がない場合はどうするか?

最も負担の軽いものから始める。エアコンクリーニングまたは不用品処分の単一オプションでスタートし、最も頻繁に尋ねられる需要から受け止める。

Q6:付随サービスを始めるにはどうすればよいか?

第一に、提供可能な付随サービスと価格設定の一覧を作成する。第二に、見積もり段階で自ら提案する。第三に、案件ごとの付随サービスの収入を記録する。